今回は怒ることで生じる不利益について記事にします。
最近では、「根性論を持ち出したり、あまり強く怒るのは良くないのではないか?」といった議論が増えてきたかなと思います。
背景としては、最近は独立や転職がしやすくなり、心理的なハードルも下がったことが要因の一つではないかと考えています。
昔は終身雇用が一般的で、社員から見た企業への依存度は非常に高く、理不尽に怒られても会社に従う選択しか選べなかったと考えています。
一方で現在はビジネス系ユーチューブ動画により学ぶ機会が多くなり心理的にも(情報も手に入りやすくなったことで)難易度的にも独立や転職がしやすくなったと考えています。
よって会社に従う以外の選択肢もあるため、会社に対する依存度が低くなりました。
すると理不尽に怒られた際、もしくは自分に合わない際には「社員が退職する」という動きにつながり、指導方法が見直されていると個人的に考察しています。
[目次]
1.対立を生む
正論を言っている場合はまだ良いかもしれません。
しかし落ち度を棚に上げている場合、もしくはかなり極論的意見を主張している場合は、部下は振り回され、「この人は何を言ってるんだろう?」状態となります。
そして時には感情的な対立を生むことになります。
2.余計に疲れる
怒ることにより、必要性を理屈で説明する手間が掛からず、相手に気を遣った言い方も考える必要が無くなります。
確かにその点では一時的に従わせることができても、長期的にはデメリットの方が大きいと思います。
3章で触れますが、部下が会社に残留してもモチベーションが下がり、生産性が下がります。
さらに退職した場合、他の労働者を探す手間が掛かり、さらに再教育の手間が掛かります。
楽に従わせる「怒る選択」をしたはずなのに、(生産性が落ちたり、人が変わることによって)手間やストレスを自ら増やしている行為とも言えます。
3.生産性が下がる
モチベーションが下がり、生産性が下がります。
高圧的な対応を取りすぎてしまうと、下からの能動的な意見が挙がりにくくなります。
指揮系統を遵守しているという点では、良いように聞こえますが下からのアイデアや意見が出にくくなります。
厳格さと革新性は基本的に相反します。
精神的にリラックスした状態と強張った状態ではリラックスした状態の方がパフォーマンスが良いことは明らかだと思います。
4.四面楚歌になる
1章とつながる部分がありますが、他人の落ち度は強く指摘するが、そのことを上司から指摘された際は指導の一環として正当化をするケースもあります。
他人に指摘はするけれども、他人から指摘はされたくないという構図が浮き彫りになります。
「怒っているのに怒られることは考えてないの?」
このように扱われ、扱いづらい人認定をされる可能性があります。
5.他責思考になる
怒らなければいけない状況になってしまった時点で指導力不足という見方ができます。
- 部下がミスをした場合、ミスをしないように注意点を伝えられていないのではないか?
- 部下が口頭の指示と違うことをしていた。そこで口頭だけでなく、メールでもフォローしておけば確実に伝えられたのではないか?
怒ると改善点が見つけられませんが、このように自責思考でいると業務改善につながり、トラブルが減っていくことで、やがてイライラ度もお互いに軽減されていきます。
他責思考ではなく、自責思考の方が建設的である理由について以下の記事で触れています。
今回の記事は以上です。